ゆうゆう、ゆりはま

ゆうゆうのひと

湯梨浜町

「そろそろ、採ってくれ」という茸の声を聞く。

しいたけ農家 真木陽子

山の一画を利用して、夫とともに真木(しんぎ)陽子さんが原木しいたけの栽培を始めたのは8年前だ。山の木を伐って長さ1m前後にそろえ、ドリルで穴をあけて、苗菌と呼ばれるしいたけの種を植え付ける。作業のピークは、外気温が15℃以下になる12月から3月中旬頃までだ。「始めは採り頃の加減がわからず、早すぎたり遅すぎたりしました。それでも何年か触っていると、“採って”と言う茸の声が聞こえてきます」陽がほどよく当たり雨も降り、風も通る場所。ここに原木の位置や向きを工夫して並べ、味の仕上げには近くを走るJR山陰本線の振動も一役買う。「どれも子どもみたいなもの。望まれるところで喜んでもらいたい」