会の名称どおり、農業はもとより環境や景観を大きなテーマとして2008(平成20)年に発足した。どのような活動をしていくべきか、いろいろと試行錯誤していきながら、やるべき方向が見えてきた。
参加型である。たとえば、「田んぼの学校」。子どもたちに「みんなで田植えや稲刈りを体験しよう」と呼びかけた。どの顔にも元気があふれたのは予想どおりだったが、そのうち親たちが「私たちも交ぜて!」と加わるようになった。そして「里に棲む生きもの調査」や、お正月を迎えるための「餅つき」「ワラで作る注連縄」などの体験会へと発展していく。気がつけば、地域のコミュニティの質が格段に上がっていた。そうした活動が評価され、2018(平成30)年に中国四国農政局長表彰の最優秀賞を受賞した。
代表の前田秀穂さん(写真・右前)は、もと県の職員。紳士的なリーダーとして人望があつい。前田佳寛さん(写真・左前)は東京で数年間ミュージシャンとして活動したのちUターンで梨農家。河村隼佑さん(写真・左後)は奈良からのIターンでいちご農家。前田昭夫さん(写真・右後)は福祉関係のベテラン。などをはじめ、運営にあたるスタッフは多士済々である。
イベントの開催だけでなく、水路や農道の補修をしていくのも重要な活動だ。地域の人びとが日ごろの実感を語ってくれた。
「この会があって農地が守られている」と。