天穂日命(あめのほひもみこと)などを祭神とする、長い歴史のある松崎神社の宮司は若い女性である。神職の衣装がきりりと決まっている渡邊香里さんは、第12代目。皇學館大學に進み神職階位を取得してこの道を選んだいちばんの動機はといえば、「誇り」である。先代の祖父の姿からそれを感じ取っていた。「いつも背筋を伸ばし、自分を厳しく律し、凛としているようすは、とてもかっこよかったです」。神社は、その地の人びとの暮らしに「安定感」を与える。地域のこころの結び目のような存在でもある。この地を離れた人が、いつ帰ってきてもここにあり、ほっとする。そうした役割を果たすため、もっともっと勉強をしていこうと考えている。