畜産農家で生まれ育ち、マスメディア界で大活躍していた男が、生産者の熱意をお客さまに伝えていきたいという熱望のもとにスタートしたのが飲食店であり販売店である「あかまる牛肉店」だ。彼は結婚する。可憐な新妻、鳥飼穂菜美さんだ。結婚後2年目から店を手伝うようになり、まもなく店を切り盛りする重要な一員となった。「おっとりして見えますが、店主の私が気の迷いを口走ると、ぴしっとたしなめられます」。県外から訪れる客も多い。その人たちの要望をていねいに聞き取る妻のようすは、熟練の域でもあり、「このお肉の素晴らしさを、1人でも多くの方に知ってもらいたいと思います」と、鳥取和牛の伝道師でもあるのだ。